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デジタルトランスフォーメーション時代のBtoBマーケティング考

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
林 剛
series
Wunderman's view No.164
date
2017年8月25日
themes
B to B ビジネス,Webマーケティング,コミュニケーション戦略,レスポンス広告,新規顧客の獲得

■デジタルがマーケティングにもたらした創造的破壊
 現在、すべての産業がデジタルディスラプション(デジタルによる創造的破壊)の波を受けているといわれています。マーケティング業界も例外ではありません。「IoT」で大衆の行動を捉え、「AI」で膨大なデータを処理し、「MA」(マーケティングオートメーション)で合理化された施策に連動させていく...。従来の常識をはるかに超えたスピードで実行されるマーケティングが現実なものとなっています。
 高度なアナリティクスによりKKD(勘・経験・度胸)を排することがビジネスの成否を分けるとされ、多くのエンタープライズ企業ではITの投資戦略が経営戦略そのものになっているといっても過言ではありません。身近なマーケティングの現場でも、ランディングページの来訪者数やホワイトペーパーのダウンロード数といった一次的なレスポンス数ではなく、CPAをKPIとして意思決定されることが一般的になっています。


■計測できない施策は去るべきか?
 KKDを排しCPAのみをKPIとするという考え方は、裏を返せば数値化できないことは評価しないという考え方といえます。
 例えば、折込み広告でフィットネスクラブのキャンペーン情報を知った人がインターネットを通じて会員登録したとしましょう。この場合、その人が折込み広告を見たかどうかは(事後アンケートを実施したとしても)正確に把握することは困難です。
 こうした背景から、このところ、折込み広告、ポスティング、ダイレクトメールといったデジタルでCPAの計測が困難なダイレクトメディアはプランニング段階で排除されてしまうことがあります。また、最初からデジタル領域だけに限定してプランニングのご依頼をいただくケースも多くなっています。


■CPAは「一部の評価」を見ているにすぎない
 たしかにデジタルメディアはCTR(クリック率)が正確に計測できます。しかし、施策全体の成果まで計測できるでしょうか?
 例えば、同じコストでCTRが1%の施策と2%の施策では、後者の効率が2倍良かったと評価されることが多いと思いますが、この指標は、全体の1~2%の反応を見ているにすぎません。つまり、クリックされなかった残りの98~99%の心理変容に及ぼした影響まで捉えた評価ではないのです。
 クリックされなかったターゲットの興味関心や購入意向は高めることができたのか...。ブランディングにポジティブな影響をもたらしたのか...など、広告効果には数多くの要素があります。デジタルマーケティングが台頭した今、あらためてマクロな視点で効果測定について考えてみる必要があるといえるでしょう。


■デジタルはBtoBをどう変えているのか?
 デジタルはBtoBにも大きな変革をもたらしています。例えば、BtoBにおける初期の情報収集は、デジタルネイティブ世代と呼ばれる35歳以下の層によるものが約半数を占めているともいわれています。そのため、このところ彼らの接触頻度が高いインターネットメディアの比重が高くなる傾向があります。つまり、デジタルがBtoBのコミュニケーションターゲットに影響を及ぼしているのです。
 また、京都のある老舗電子部品メーカーでは、一度も会ったことのない海外企業からウェブサイト経由で注文が舞い込むようになったといいます。デジタルは従来の取引形態をも変化させているのです。
 こうしたBtoBのデジタルトランスフォーメーションの波、読者の皆様はどのようにお考えでしょうか。


■人の心を動かすフィジカルイベント
 土地が広大なアメリカでは、日本のように手軽に対面営業ができないという事情があります。そうしたビジネス環境で育まれたデジタルマーケティングの文法をそのまま今の日本のBtoBに持ち込む場合には、十分注意する必要があるといえそうです。
 世界的に販売台数を伸ばしていることで知られる自動車メーカーのある広島では、このところ部品メーカーの事業進出が著しく、オフィス物件を見つけることさえ困難になっているといいます。日本のBtoBにおいて「直接顔を合わせて話すこと」の重要性を示す事象といえるのではないでしょうか。 
 また、筆者はIT企業のカンファレンスに立ち会うことが多いのですが、こうしたイベントが果たす役割が想像以上に大きいと実感しています。とりわけ、案件が億単位になるビジネスでは、ターゲットとの直接対話によって得られた手ごたえを評価するフィールドセールス担当者の声の大きさに、いつも新鮮な驚きを覚えます。


■約3割に留まるデジタルとアナログの併用
 日本のBtoBの契約は、全アクションがクリックに終始するのはまだ例外的で、対面により取り交わされているのが実情でしょう。だとすれば、BtoBマーケティングでは、フィジカルイベントやフィールドセールスといった対面の施策まで考慮した戦略を構築したいところです。しかし、実際にはデジタルに閉じたパイプラインマネジメントを求められるケースが少なくありません。
 日経BPコンサルティングが上場企業を対象に2017年3月に実施した調査*では、デジタル施策とアナログ施策を「組み合わせて実施していない」と回答した企業が67.6%に上っており、「組み合わせて実施している」の31.5%を大きく上回っています。この調査はBtoBに限定したものではありませんが、上場企業でデジタルとアナログの効果的なマーケティング連携が進んでいない状況を垣間見ることができる興味深いデータといえるでしょう。


■BtoBのデジタルトランスフォーメーションで重要なこと
 デジタルトランスフォーメーションとは、「ITの浸透により人々の生活があらゆる面でより良い方向に変化する」という概念です。iPhoneの登場から今年で10年。私たちの身近なところでデジタルトランスフォーメーションは大きく進んでいます。しかし、日本のBtoBマーケティングでは「デジタルに閉じない」という視点が今後ますます重要になるはずです。
 事実、この調査で「デジタルとアナログを組み合わせた施策を実施している」と回答した企業のうち、実に63.1%が「効果を上げている」と回答しており、「効果を上げていない」の35.1%を大きく上回っているのです。


■深遠なるデジタルとダイレクトマーケティングの関係
 ターゲットから計測可能なレスポンス(反応)を獲得することを主眼とするデジタルマーケティングは、ダイレクトマーケティングそのものであるといわれることがあります。しかし、両者は決して同義ではありません。レスポンスとは、デジタルか否かを超えた視点で語られるべきものだからです。電通ワンダーマンはダイレクトマーケティングを専業とするエージェンシーとして、これからもマクロな視点でレスポンスにこだわっていきたいと考えています。

*出典:デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査第3回(日経BPコンサルティング、2017年3月実施、2017年4月20日づけ同社ニュースリリース)


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